由季~ たわごとコーヒーショップ♪

由季 = 元アマチュア劇団員 <男> ~ ~ きままに「戯言」アップ♬

光の少年⑨

男:…なあ 野球やろうか
由季:今から こんなまっ暗だよ
男:平気さ どうせおめえはまっ暗でもよく目がみえるんだろ
由季:うん そうだけどさあ……
男:じゃあやろうぜ!!
  ほら!(ボールを由季に手渡す)
由季:よーし ぼくのたまのスピードを見せてやる 腰をぬかすなよ エイ!
男:バーン! ストライック!
由季:へっへー どうだ
男:フーッ まだまだ それっ もう一球(ボールを返す)
  ━━ しばらく キャッチボールをしながらの会話 ━━
男:なあ やっぱ おめえは戦争で死んだのか
由季:ちがうよ!
男:ちがうのか?
由季:…ああ…(暗い表情になる)
男:そのへん聞かせてもらっちゃあ悪いかなあ
由季:…いいよ… あまり思い出したいことじゃないけど
男:(無言)
由季:……あれは 昭和 ……えーっと1944年か 終戦いや敗戦の前の年の 今日みたいに寒い日だったな……
けど その日は久しぶりの大ごちそうで 母ちゃんがどっかから 鶏肉を手に入れてさあ とってもおいしく煮込んでくれたんだ
  もう40年もまえだからオレでさえ記憶がうすれちまっているけどさあ いまでも 耳に残っているのは母ちゃんの「死んではだめです!」って声かな
  ……あのころの母ちゃんは たぶん鶏肉どころか いももほとんど食ってなかったんだよ なのにオレはそんなこと知らなくてさあ……    うまかったな……
  そのときにね 日本軍の飛行機が墜落してきたのさ オレの家のせまい庭にね  ……あの瞬間のことはよくわかんないけどさ


*****由季の長台詞の途中 また次回********

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