光の少年 ①
光の少年 ━━戦争のない時代に育った人たちへ━━
プレプロローグ
遠くから近づいてくる大型プロペラ機の音
エンジン音の中で
飛行士:大佐殿 だめです!! 限界を超えました。エンジンまもなく停止します。
大佐:やむをえん。落下傘で脱出する。
飛行士:しかし下は知多半島です。なんとか 伊勢湾まででましょう、そうすれば……
大佐:バッカモン!!!!この機には おそれおおくも司令官殿が乗っていらっしゃるんだぞ!! そんな無理はできん。ただちに脱出だ!!!
飛行士:……しかし
大佐:よし それならば おまえは残って伊勢湾まで飛べ 海に出てから脱出すればよい。
━━━ 間 ━━━
由季:母ちゃん これ鶏肉?すっげーや 何か月ぶりかな!
母ちゃん:フッフッフ 今日はね いなかのおじいちゃんが わざわざ人にたのんで送ってきてくれたのよ
由季:うっわーすげー! じいちゃんありがとう!
……ねえ 母ちゃんの分は?
母ちゃん:私はさっき食べたから 由季たんとお食べなさい
早く 大きくなって ……
由季:うん 早く大きくなってりっぱな兵隊さんになって お国のために死ぬよ
母ちゃん:死んではだめです!
由季:だって学校の先生がー……
母ちゃん:いいですか ぜったい死んではだめです そんな子はわたしの子とは認めません
由季:…………うん わかったよ 死なないよ
母ちゃん:さあさあ 冷めないうちにたくさんたくさんお食べなさいね
由季:うん いっただきまーす!
うっわー うめー すげーよ こういうの言うんだろな ほっぺが落ちそうなうんまさっててさ …………
ねえ………本当に母ちゃんは食べたの?
母ちゃん:はい 食べましたよ …… この子は心配性なんだから ……あの人に似て……
由季:あっ!ごめん父ちゃんのこと思いださせちゃったね ごめんね 母ちゃん……ごめ
━━ 飛行機が落ちてくる音 爆発音が一瞬 しばらくサイレント ━━
プレプロローグ
遠くから近づいてくる大型プロペラ機の音
エンジン音の中で
飛行士:大佐殿 だめです!! 限界を超えました。エンジンまもなく停止します。
大佐:やむをえん。落下傘で脱出する。
飛行士:しかし下は知多半島です。なんとか 伊勢湾まででましょう、そうすれば……
大佐:バッカモン!!!!この機には おそれおおくも司令官殿が乗っていらっしゃるんだぞ!! そんな無理はできん。ただちに脱出だ!!!
飛行士:……しかし
大佐:よし それならば おまえは残って伊勢湾まで飛べ 海に出てから脱出すればよい。
━━━ 間 ━━━
由季:母ちゃん これ鶏肉?すっげーや 何か月ぶりかな!
母ちゃん:フッフッフ 今日はね いなかのおじいちゃんが わざわざ人にたのんで送ってきてくれたのよ
由季:うっわーすげー! じいちゃんありがとう!
……ねえ 母ちゃんの分は?
母ちゃん:私はさっき食べたから 由季たんとお食べなさい
早く 大きくなって ……
由季:うん 早く大きくなってりっぱな兵隊さんになって お国のために死ぬよ
母ちゃん:死んではだめです!
由季:だって学校の先生がー……
母ちゃん:いいですか ぜったい死んではだめです そんな子はわたしの子とは認めません
由季:…………うん わかったよ 死なないよ
母ちゃん:さあさあ 冷めないうちにたくさんたくさんお食べなさいね
由季:うん いっただきまーす!
うっわー うめー すげーよ こういうの言うんだろな ほっぺが落ちそうなうんまさっててさ …………
ねえ………本当に母ちゃんは食べたの?
母ちゃん:はい 食べましたよ …… この子は心配性なんだから ……あの人に似て……
由季:あっ!ごめん父ちゃんのこと思いださせちゃったね ごめんね 母ちゃん……ごめ
━━ 飛行機が落ちてくる音 爆発音が一瞬 しばらくサイレント ━━